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家族に感謝を込めて、本物の家づくり15年

最後に、やっと気づきました。お客様の希望を                全て叶えることが正しい訳ではなかったんです。

 

        家族に感謝を込めて 本物の家作り15年  飛弾 功次           

 3人兄弟の末っ子として生まれた私は、いつも親兄弟に甘えて成長しました。いつも楽な方へ楽の方へと逃げるくせがあり、就職も特に深い考えも無く、ある大手の上場企業に就職しました。

職場では、やる気があるわけでもなく、かといって無断欠勤することもなく、 のんべんだらりと働く何処にでもいる普通のサラリーマンでした。  そんな私にも、家庭ができ子供にも恵まれました。 

 ところが、ある夜のことです。すやすや眠る息子の寝顔を見ながら、もし、この子がもう少し大きくなって言葉を話すようになり、「お父さんは、どんな仕事をしているの?」と聞かれたら、自身は、何と答えるのだろうか?と、考えたのです。

その時、とても、恥ずかしい思いが、突然沸き起こってきました。
こんな情熱も、生きがいもなくダラダラと働く、ダメダメサラリーマン人生を、自分の息子に胸を張って誇れるだろうかと・・・

それからの私は、日々、生涯誇りが持てるライフワークとは何だろうか?
と考えることが日課となりました。

そんな時です。
大工見習い募集の貼り紙を見つけたのは・・・

私は、衝動的に、その工務店の門を叩きました。
そして、大工見習いに応募したのです。26歳の春の出来事です。


私の原点、思い出した夢

しかし、振り返ってみると、私はもともと大工にあこがれていたのです。

というのも、私の父は、建具職人でした。当時、住み込みの職人さんもおられ、「トントン」という金槌の音や、「ギコギコ」というノコギリの音、威勢のいい職人さんの声を聞きながら、幼少期を過ごしました。

木や、物を作ることが好きで、当時は、建具職人と、大工職人の区別もつかず、母に「大きくなったら、父のような大工職人になりたい」と言っていたそうです。
息子に自慢できる仕事をしたいと考えたときに、いつの間にか忘れていた、そんな夢を思い出すことができたのです。


大工修行時代、甘くはありませんでした

少年時代の夢を実現しようと、工務店の門をたたいた私でしたが、そこには想像もつかない試練が待っていました。

職人の世界は、いまだに師弟制度が色濃く残っており、仕事は見て覚えるもので、手とり足取り教えることなんて絶対ないという世界でした。

私のついた親方は、その工務店の中でも1、2を争う腕の持ち主でした。そして私にも、自分にも非常に厳しい方でした。

仕上がりに対してもシビアで、細かくこだわり丁寧に工事する人でした。たとえば、髪の毛1本分の隙間ができても、失敗だというほど徹底した方だったのです。私はそんな親方に、家作りの心構え、大工の心構え、施工技術を徹底的に叩き込まれたのです。


しかし、また末っ子根性が出てしまいました

大工の修行はとても厳しく、何度も心が折れそうになりました。そして、親方のあまりの厳しさに、1度だけ現場を逃げ出したことがあるのです。入門して1年ぐらいたった頃です。

その日は朝から、親方にこっぴどく怒られました。1年間耐えに耐え抜いてきましたが、この日はさすがに我慢しきれず、親方に黙って、昼休みの間に家に帰ってしまいました。

職場放棄です。

しかし、家に帰って、冷静になると、とても自分が情けなくなりました。
というのも、原因は自分の仕事内容が悪かったせいだからです。

家に帰り、しばらくすると、妻が買い物から帰ってきました。窓からのぞくと、自転車の前には楽しそうに息子が乗っていました。

その姿を見て、大工見習いになることを決意した時、妻に言われたことを思い出し涙が出てきました。

私は、妻にこう言いました。
「自分の夢を追ったばっかりに、サラリーマン時代のように、決まった休みもなく、収入も激減し、申し訳ないな」と・・・。

すると、妻は、
「あなたの夢は、私と子供の夢でもあるの、頑張って! 収入が減ったって安売りスーパーを探して買い物行くのも案外楽しいのよ」と、笑顔でいってくれたのです。

結婚以来、妻には欲しい物を買ってあげるでもなく、おいしいレストランに連れて行ってあげるでもなく、安定したサラリーマン生活を捨て、大工職人の道へ飛び込んだ私に愚痴の一言も言ったことがありません。

私は、笑顔で答えましたが、あやうく泣きそうになりました。


親方に助けられました

妻のお陰で、気持ちの整理がつき「明日、親方にあやまろう」と考えることが出来たとき、突然、親方から自宅に電話がありました。

親方から自宅に電話があるなんて初めてのことです。怒られるのを覚悟で電話に出ると、普段無口の親方が「
今日はちょっと言いすぎた。でもな、飛弾君、怒るほうもつらいんや。明日からまた一緒にがんばろう」とだけおっしゃって電話を切られました。

このときの一言を、私は今も鮮明に覚えています。

自分が本当に情けなくなりました。そして、自分は多くの人に守られて生きているんだと、このときほど感謝したことはありませんでした。


夢にまでみた第一歩

そんな一件があってから、私は心を入れ替えて修行しました。
そして、大工として一人立ちすることも出来ました。

最初は、下請け仕事からでした。いろんな元請けさんの仕事をさせて頂きました。

はじめての現場では、仕事が遅いのをカバーするために、朝早くから夜遅くまで本当に頑張りました。

先輩大工からは、
「いつまでかかってるんだ。金にならないぞ」なんて、皮肉を言われましたが、正直そんなことはどうでもよかったのです。大工として仕事をできる楽しみ、お客様のためにいい家を建ててあげたいその一心でした。

やっと完成し、お客様に「ありがとう」と言われた時には、飛び上がりたい気分でした。家を建てる大工という仕事は本当にすばらしい仕事です。これこそ、息子に自慢できる最高の仕事だと思っています。


こんな家作りは間違っている

大工として、仕事をするようになり数年が経った時、大きな壁にぶつかりました。それは、大工一人いくら魂をこめて家を作っても本当のお客様の笑顔が見ることができないということを知ったのです。

家の建築は、元請け会社の下に、大工、電気屋、左官屋などの下請け職人がいます。われわれ大工は、元請さんの指示のもと材料を支給してもらって工事をします。したがって、本当にお客様のためにならないと思ったとしても、元請さんの指示に逆らうわけにはいかないのです。

使い古しの汚い材料を持ってこられたとしても、お客様との契約と全く違う材料を持ってこられたとしても、元請けの指示通りに施工しなければなりませんでした。私は、大工という仕事に自信と誇りを持っていましたので、可能な限りお客様のことを第一に考え仕事をしていました。

それでも、下請けに出来ることには限界があったのです。


大地工務店誕生のキッカケ

そんなある日のことです。お客様から、
「元請け会社は本当にひどかった。約束は守らないし、うそばっかりだし、でも大工さんが飛弾さんで本当によかった。元請け会社が、飛弾さんのような誠実な方だったら本当によかったのにね」という言葉をいただきました。

この瞬間、お客様の本当の笑顔を見るには元請けをするしかないと心に誓い、下請け仕事をやめ、工務店を立ち上げたのです。

本当にお客様のことを考え、コツコツ丁寧に一棟一棟作り上げ、完成時には、お客様の最高の笑顔が見たい。そして地域にねざした、大地に根をはるそんな工務店になろうと「大地工務店」と名づけました。

私には、大工以外の知識は少なかったので、睡眠時間を削り猛勉強をし、建築士免許と宅建免許を一発で取得しました。幸いお客様に恵まれ、順調に大地工務店がスタートしました。

「お客様の夢をすべて叶える」これが当時の私の理念でした。お客様の希望を全て叶えることが正しいと思っていたのです。綿密な打ち合わせをし、私は最高の家を作っている、つもりでした。

ところが私は大きな間違いを犯してしまったのです。


家族を犠牲にして、やっと間違いに気がつきました

工務店を立ち上げ、しばらくして自宅を新築しました。妻の希望を聞き、すべての夢を叶えました。今まで、お客様にしてきた家づくりの手順と同じようにです。私は、それが最高の家づくりだと思っていたのです。

しかし、引越しが終わって数ヶ月がたった時でした。ある日の朝、3歳になった下の息子が体をぼりぼりかいていたのです。時を同じくして、妻の手荒れがひどくなってきました。

妻子がアレルギーを発症したのが、「家が原因だった」と気が付くまでに、少し時間がかかりました。しかし、私が建てたマイホームは、実は、シックハウスだったのです。


遅まきながら猛勉強と、猛反省

シックハウスが社会問題となり、シックハウス対策法ができ、建材にもF☆☆☆☆という基準が設けられ、まことしやかにF☆☆☆☆建材を使って換気扇を動かせば健康住宅になると言われていました。

私自身も少なくともその時までそう思っていましたし、お客様にもそう説明していました。それなのに「息子のアトピー発症はなんなんだ」と、私は思わず叫びました。

遅まきながら、シックハウスについて猛勉強しました。
・ F☆☆☆☆建材を使うだけではシックハウスの恐れがあること
・ シックハウス対策法で制限された物質は本当の少しの種類であること
・ シックハウスには、化学物質過敏症とハウスダストによるアレルギーがあること
などいろんなことが分かりました。

そんなことを勉強した結果、
ハウスダストによるアレルギーを防ぐため、内部結露のおきにくい外断熱工法にすること。シックハウスを防ぐため内装は、本物である自然素材を使うこと。さらにビニールクロスや合板フローリングを極力使わないこと。
これらが重要であることに気づきました。


希望を叶えるだけでは、いい家は作れない

それまでの私は、家づくりの打ち合わせ時に、お客様が、
「壁はビニールクロスにし、床は合板フローリングにして予算を落とし、キッチンのグレードを上げたい」と言われれば、その通りにしました。

「断熱なんてこだわらないから最低のもので良い」と言われれば、その通りにもしました。

それがお客様の夢を形にすることだと、勘違いしていたのです。

私の家作りの思いをお客様にぶつけるのは、お客様にとっては迷惑なんだと勝手に解釈していたのです。それでお客様は喜ばれていましたし、いい家を作っている自信もありました。

しかし、それでは我が家のように子供がアトピーになる可能性もあるし、内部結露によるアレルギーを引き起こす可能性があったのです。

もちろん、最後に決定されるのはお客様自身です。でも、本当のことを知った上で選択して頂くべきだったのです。


本物を選ばないのは本物を知らないから

ではなぜお客様は、シックハウスになりにくい家づくりを選らばないのでしょう? 簡単なことです。

知らないからなのです。知らないから選ぶことができないのです。

・自然素材の内装がいいですか?
・合板フローリングにビニールクロスがいいですか?
といわれれば、特にこだわりのない方は後者を選ぶでしょう。

しかし・・・
・健康に配慮した家がいいですか?
・それともシックハウスの危険性のある“普通”でいいですか?

と言われれば、必ず、健康に配慮した家を選ぶと思うのです。


今の普通と昔の普通

ところが、この「普通」という言葉がわかりにくいのです。

私が生まれた今から40年前、家の内装の「普通」といえば、床は無垢のフローリングに、壁は塗り壁で、天井は板張りか布クロスでした。ですから、シックハウスとも無縁でした。

しかし、現在の「普通」といえば、合板フローリングにビニールクロスなのです。

もちろんこの仕上げが悪いというわけではありません。
ただこれらの製品は「施工が早い」「施工が簡単」「見栄えがいい」などすべて業者側に都合のいい素材なのです。そして何よりも問題なのは、シックハウスの危険性をはらんでいるという事実です。

そこにはお客様が、安全に気持ちよく暮らしてほしいなどという気持ちは微塵もありません。

お客様が知らないから、自分たちに都合のいい製品を薦める

こんな建築業界は間違ってる! 私はそう断言します。
本当のことをお客様にすべて伝え、そのうえでお客様に選んでもらう。それこそが大切なことだと確信しています。


建築業者は自宅に自然素材を使います

建築業者が自宅を建てる時、自然素材をふんだんに使い、結露のしにくいしっかりした高断熱住宅にする人が多いといいます。
それは、現在の“普通”の家作りでは健康に暮らせないことを知っているからです。

知っているけどお客様に薦めない。これはもはや家作りに携わるものとして失格だと私は思います。

私も以前はお客様の望んでいることだけを忠実に再現すれば、そのお客様にとって理想の家ができると考えていました。もちろんそれも必要ですが、実は、それだけではだめなのです。本当に安全に快適に暮らすにはどうすればいいか、それを伝えることもまた必要だということに気づいたのです。


本物の家とは

私は、自宅の新築を期にお客様の要望だけを聞いて家作りをすると、シックハウスになる可能性もあるし、アレルギーに悩まされる可能性もあることに気づかされました。

本来、家というのは家族の夢の結晶です。

しかし、その家作りの手順を間違うと大変なことになってしまう。お客様の夢だけで家作りをするのではなく、
私たちが、健康に安全に暮らせる家づくりの手順をアドバイスすることも重要なことだと、心の底からそう思います。

あの時、私は誓いました。
お客様の夢をかなえると共に、安心して笑顔で暮らせる本物の家を作る「道しるべ」を伝えよう、と。

それからの私は、お客様の夢をお聞きするだけでなく、本物の良さ、安心感、現在の家作りではシックハウスの危険性があることなどを真剣に伝えてきました。

それ以降、現在に至る5年間、本物の素材を使った外断熱住宅をつくり続けています。お陰様で、新築してから体調が悪くなった、アレルギーで苦しんでいるといわれたことは一度もありません。

それは、本物を語り、それにお客様が共感頂け、本物の家を作っているからです。

・ 本物は安心
・ 本物は快適
・ 本物はいつまでたっても変わらぬ価値がある家族に感謝を込めて、本物の家づくり15年


私は今、こう思って家を作っています。
本物の家を、本物の価値をわかってくれるお客様のために魂をこめて作りたい。
それが私の本心です。

息子に自慢できる仕事がしたいと、大工の棟梁に弟子入りして、はや15年。
今もあの時とかわらず、私は家作りが大好きなのです。

                        家族に感謝を込めて、本物の家づくり15年
                          二級建築士・宅建主任者 飛弾 功次
                                                                                               
                                                                   

追伸:

私は、妻子のお陰で、健康に配慮した家、本物の素材を使った気持ちいい家が作れるようになりました。だから、「普通」を選択して、不健康な家を建ててしまう人が一人でも少なくなることを念願しています。

私でお役に立つことがあれば、ご相談ください。

                             家族に感謝を込めて、本物の家づくり15年
                               有限会社 大地工務店
                                  代表取締役 飛弾 功次
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